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JLPT N2 Reading Practice – Test 16

JLPT N2 Reading Practice – Test 16
Practice reading and understanding Japanese N2.

私の娘が高校生の頃、カバンに小さな人形をぶら下げているので、「それは何のお守り?」と聞いたら、「幸運グッズで、 これを付けていると試験の成績が良くなる」という返事が戻ってきました。「現に、この前の中間試験に成績が良かったから効き目がある」と信じているようで す。そこで私は、「そんなもの付けてても、次の試験はきっと悪い成績になるよ」と予言をしました。そして、その予言通り娘の期末試験の成績は散々で、幸運 グッズの効き目がないことが証明されました。

そこで、私は娘に、「あなたの大体の実力は七十点を取るくらいであ る。しかし、人間には好不調というものがあって、九十点を取ることも、四十点しか取れないこともある。おそらく、あなたは前の期末試験が実力以下の成績 だったので、神にすがるような気持ちで幸運グッズを買ったのだろう。ところが、それは単に不調で実力が発揮できなかっただけだから、幸運グッズを買おうと 買いまいと、あなたの通常の実力通りなら、次の成績は上がることになる。それが、前の中間試験であった。成績が平均点を上回ったり下回ったりしているだけ なのである。それを誤解して、幸運グッズを身につければ成績が良くなると信じてあまり勉強していないようだったから、成績は必ず下がると予言できたのだ」 という説明をしました。

人生は山あり谷ありで、山があればいずれ谷が来るし、谷があればいず れ山が来るのです。たとえ谷に落ち込んでも慌てず、いずれ自然の成り行きとして谷を脱するときが来るだろうと、時を待っておれば良いのです。ところが、怪 しげな宗教を信じ込んだり、幸運グッズに手を出す人は、この当たり前のことがよくわかっていないようです。谷に落ち込むと追い詰められた気分になって、つ い神に頼ったり幸運グッズに手を出してしまうのです。やがて、時の流れとともに谷の時期が去って山の時期がやって来るのですが、それを神や幸運グッズのお 陰だと信じてしまう、というわけです。

問1: 筆者がこの文章で言いたいことはどんなことか。

1. たとえ宗教や幸運グッズに頼ったとしても、人間のいいときと悪いときが来る順番を変えることはできない。

2. 人間には悪いときと良いときがあるものだが、神や幸運グッズは悪いときにだけ頼りにすればいい。

3. 悪い時には人間は落ち込むが、神や幸運グッズがあれば、良いときが来るまで安心して待つことができる。

4. 悪いときの次は必ず良いときがやって来るので、悪いときが来ても神や幸運グッズに頼る必要はない。

Answers:
問1: 4. 悪いときの次は必ず良いときがやって来るので、悪いときが来ても神や幸運グッズに頼る必要はない。